このページでは、仮想通貨を始めたばかりの初心者さんが「絶対に覚えておきたい用語」について解説します。
仮想通貨取引の中で生まれた用語もありますが、用語の多くは投資全般で使われる用語だったり、コンピューターの技術用語や取引の際に使われる英語がほとんどです。一部には日本でしか使われない用語もあります。
仮想通貨の銘柄についてはキリがないので、ここでは有名なものだけを紹介します。
難しい技術的な事はそこまで深く解説せず、初心者さんにも分かりやすく簡潔にまとめたつもりです。そのため、仮想通貨以外の観点で見た場合は用語の意味が変わってくる場合があります。
あくまでも「仮想通貨の初心者さん向け用語集」であることをご理解くださいませ。
あ行
アービトラージ
アービトラージとは裁定取引とも呼ばれ、同一の通貨が取引所によって一時的に価格が異なる場合、割安な取引所で買い、割高な取引所で売り、利益を得る取引のこと。
ICO(アイシーオー)
ICO(アイシーオー)とはInitial Coin Offeringの略称で仮想通貨版のクラウドファンディングと理解されています。
新規の未上場通貨を上場前に売り出して資金調達を行いますが、株式投資と違い主幹事が存在せずに事業者主体が直接売り出すため、監査が無く誰でも資金調達を行うことが出来ます。
現在は明確な基準やルールが存在しないので、事業者がルールを作り自由に資金を集められる方法です。その為「資金を集めた後に事業者が姿を消す」などの詐欺行為も多くなりますので、情報を確認して判断することが必要になります。
Token Sales(トークンセール)やCrowd Sale(クラウドセール)についても、現状はICOとほぼ同様の意味で使用されています。
アドレス
アドレス(ビットコインアドレス)とは、仮想通貨の口座(ウォレット)のアドレスの事です。銀行口座の番号と同じような意味合いを持ち、27〜34文字の英数字の組み合わせからできています。主に仮想通貨を送金する際に、このアドレスを利用して別の口座に入金・送金する事になります。
アルトコイン
アルトコインとはAlternative Coin(代替コイン)の略称で、ビットコイン以外の仮想通貨の総称を言います。ほとんどの仮想通貨はビットコインの技術を元にしたものであり、全世界で500種類以上ものコインが作成されています。
暗号通貨
暗号通貨とは、セキュリティ対策に暗号技術が使用されている通貨の総称を言います。公開鍵や秘密鍵などを用いた電子署名技術が使用されており、その技術によって取引の安全性を確保し発行の統制をしています。仮想通貨と混同しがちですが、正しくは代替通貨>仮想通貨>暗号通貨となり、仮想通貨の一種類が暗号通貨ということになります。
イーサリアム
イーサリアム(ETH、Ethereum)とは、分散型アプリケーション(ブロックチェーン)やスマートコントラクト(契約情報)を構築するプラットフォームや、それに関連するオープンソースソフトウェアプロジェクトの総称です。
マイクロソフトがイーサリアム基盤のブロックチェーンを導入したことから注目を浴びはじめ、現在では時価総額がビットコイン(BTC)に次いで第2位となっています。
イナゴ
イナゴとは、バッタの一種類であるイナゴが実った稲穂に群がるように、魅力的な銘柄に人が群がる様子を表した呼び方です。そのため高値掴みをしてしまう人々の総称にもなっています。イナゴで出来上がる急騰したチャートはイナゴタワーと呼ばれます。
ウォレット
ウォレットとは仮想通貨の口座のことです。仮想通貨の入金、送金、残高の確認などが行なえます。ウォレットにはWEBサイトで確認できるものや、パソコンやスマホにアプリとしてダウンロードして使うものがあります。
しかし、セキュリティを考慮し別のウォレットへ移す方もいらっしゃいます。主に以下のウォレットを使う方が多いです。
- ハードウェアウォレット:専用の端末を購入してオフラインで保管
- ペーパーウォレット:紙にアドレスを印刷し保管
- デスクトップウォレット:パソコン内に専用アプリを使って保管
- モバイルウォレット:スマホ内に専用アプリを使って保管
- ウェブウォレット:インターネット上に専用ツールを使って保管
エアドロップ
エアドロップとは、仮想通貨の初期の投資家や通貨のサポーターに対して行われるコインの無料配布の事を言います。
新しく発行されたばかりのコインは保有者が少なく、市場の流動性も低いため、コインを無料で配布することにより話題性を提供し知名度を上げたり、流動性を高めていく効果があります。
無料でコインの配布を受け取るには、配布の対象となっているコインをウォレットに保有したり特別な申請をする必要があります。
オールタイムハイ(ATH)
オールタイムハイはAll Time Highで略してATHと書かれます。その仮想通貨の過去最高価格を示します。
か行
仮想通貨
仮想通貨(CRYPTO CURRENCY)とは、インターネット上での支払いに使用することができる暗号技術を使ったデジタル通貨のことで、法定通貨の紙幣や硬貨のように目に見える形ではなく電子データとして存在しています。送金時や決済時の手数料が安く、大幅に短縮することができるので、現代の新通貨として認識され始めています。
特定の国家による価値の保証がなく公的な発行者や管理者が存在しませんが、インターネット上の複数のコンピュータで送金記録を相互監視するブロックチェーン(Blockchain)で管理されており、暗号化技術により不正が防止されています。
仮想通貨は専用の取引所を利用して、日本円や米ドル、ユーロ、人民元などの法定通貨と交換して手に入れることができます。現在の仮想通貨の種類は1000種類以上あるといわれています。
ガチホ
ガチホとは仮想通貨取引や株取引など投資全般で使われる言葉で、短期で取引をせず長期に渡って保有し続ける意味として使われており、「値が上がろうが下がろうが絶対に手放さない」行為、またはその行為をする人のことを指します。
語源は「ガチガチにホールドする」「ガチでホールドする」のどちらかではないかと言われています。
クラウドマイニング
クラウドマイニングとは、ハードウェアを使用して遠隔でマイニングを行うことです。現在は企業が保有する強力なマイニングマシンの一部を使用してマイニングを行うのが一般的です。クラウドマイニングが誕生した理由は、ビットコイン(BTC)のマイニング難易度が高くなりすぎてしまい、個人単位ではマイニングがほぼ不可能になったためです。
さ行
サトシ(satoshi)
サトシ(satoshi)とは、ビットコイン(BTC)の最小単位を表します。0.00000001BTC=1Satoshiとなっています。ビットコインの開発したと言われるナカモトサトシ氏の名前が由来です。
ショート
ショートとは、株などの投資商品で使われている言葉で「先に売って後で買う事」を表します。ショートは価値が下落し続けている状態でも、いつか上がれば利益を出せる可能性がありますが、損失が生じた場合は青天井で負債が増える可能性があります。特に仮想通貨については一気に価値が大暴騰することが多いので、他の投資商品のショートよりリスクは大きくなります。
対義語:ロング
スプレッド
スプレッドとは、投資対象を売る時と買う時の金額の差のことです。一般的にはスプレッドが小さいほど短期で利益が出しやすくなります。
ソフトフォーク
ソフトフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルの規則をより厳密なものに変更することによって発生するブロックチェーンの分岐のことです。仮想通貨においては、今までの機能や仕組みを問題なく使えるように引き継ぎつつ、より性能の上げた新しいシステムへアップデートさせる事を意味します。
対義語:ハードフォーク
た行
ティッカー
通貨の略称のことで基本的にアルファベット3文字で表されます。例えばビットコインであれば「BTC」、リップルであれば「XRP」となります。最近は通貨が増えすぎたせいか4文字のティッカーも存在します。取引所では基本的にティッカーで表示されるため、間違えないように気を付けましょう。
トークン
トークン(Token)とは、既存のブロックチェーン技術で発行した独自コインの事をいいます。発行者が存在していて、供給量を発行者が操作できるという点は株式に似ているかもしれません。トークンを発行して流通させた発行元のビジネスが成功して人気が上がれば、市場価値も上昇します。
トランザクション
投資におけるトランザクションは「取引」の意味です。「トランザクションを発行したのに処理されていない」という言葉であれば「取引を申請したのに処理されていない」という意味となります。
仮想通貨ではトランザクションに合わせてトランザクションIDが採番されます。トランザクションIDが分かっていれば取引の内容を追跡する事ができますので、「コインを送った」「お金が来ていない」といった場合の確認が誰でもできるようになります。
な行
ナカモトサトシ
ナカモトサトシとは、2009年にビットコインの論文を発表し、ビットコインプロトコルと参照ソフトウェアを作ったことで知られる人物の称する氏名です。オーストラリア人起業家のクレイグ・スティーブン・ライト氏がナカモトサトシであると証言していますが、正式には認められていません。
2段階認証
2段階認証(2要素認証、2FA、Two Factor Authenticati)は、セキュリティ向上のために2つ目のパスワードを設定することを言います。
一般的には、自身が変更しない限り変わらない1つ目のパスワードと、スマホなどにアプリを導入して時間によって変わるパスワードを2つ目にすることが多いです。
仮想通貨取引所の場合であれば、ログイン、通貨の購入、入金、送金など全てで2段階認証が使用できます。お金を入金する前には必ず2段階認証の登録をしておきましょう。
は行
ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは仮想通貨を保管するウォレットウォレットの一種で、オフラインでは最も使われることが多いウォレットです。形は色々ありますが、大きいUSBメモリのような形状のものに仮想通貨のデータを保管するのが一般的です。
セキュリティーの高い保管方法ですが、ハードウォレットを紛失したり破損したりすると仮想通貨をウォレットから引き出せなくなってしまう危険性があります。
ハードフォーク
ハードフォークとは、ブロックチェーンに規定された検証規則を緩和することによって発生する新しいブロックチェーンとの分岐のことです。ソフトフォークとは異なり、互換性のない仮想通貨のアップデートになります。
これにより、新しい検証規則を採用するノードと採用しないノードとの間で、ブロックチェーンの判断に不一致が生じて恒久的な分岐を生じる可能性があります。
有名なハードフォークとしては、ビットコインが「ビットコイン(BTC)」と「ビットコインキャッシュ(BCH)」の2つに、イーサリアムが「イーサリアム(ETH)」と「イーサリアムクラシック(ETC)」の2つに分かれました。
対義語:ソフトフォーク
ビットコイン
ビットコイン(BTC、Bitcoin)とはサトシ・ナカモトを名乗る人物によって投稿された論文に基づき、2009年か運用が開始された仮想通貨です。法定通貨は国家の信用を元にして価値を担保していますが、ビットコインの場合はネットワーク参加者全体で相互に信用を形成します。ビットコインの数には限りがあり、多くの人が価値のあるものだと信じれば価格が上がり、価値が無いものとみなせば価格が下がります。
ビットコインキャッシュ
ビットコインキャッシュ(BCH、BitcoinCash)とは、2017年8月1日にビットコインがハードフォークして生まれた新しい仮想通貨のことです。近年のビットコインの取引量が増えてきたことによる取引スピードの低下など、スケーラビリティの問題を解決するためにブロックサイズを8Mまで拡大したことが最大の特徴です。
ブリッジ通貨
ブリッジ通貨とは、通貨と通貨の間で互換性を持たせるために橋渡し(仲介)となる通貨のことを言います。有名なブリッジ通貨としてはリップル(XRP、Ripple)があります。
例えば法定通貨のドル、ユーロ、円はあらゆる方法で交換(両替)ができますが、直接交換のできない法定通貨や仮想通貨に交換する場合にブリッジ通貨を仲介させることで交換を簡単にすることができます。
ブロックチェーン
ブロックチェーン(Blockchain)とは、簡単に言えばコインの今までの取引全てを記録している1冊の台帳のことです。
例えばあなたがコインを誰かに送ります。すると、その情報が1つのブロックとして台帳に書き込まれます。このブロックが積み重なっていくことをブロックチェーンと呼びます。
ブロックチェーンに保存されている過去の全取引データはすべてのコインユーザーで共有されます。同じデータ所有者が複数いて、お互いに確認して合意形成することで、ブロックチェーンのデータが正しい事を保証していきます。
ブロックチェーンは仮想通貨で生まれたシステムですが、その技術は既に派生しており、現代の多くの企業で運用されている既存の決済システムをブロックチェーンのシステムに代替することにより、運用コストが削減されると期待されています。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、仮想通貨の発行元による企画や構想と技術的な内容が書かれた発行書の事です。主に仮想通貨を発行する際にどのような通貨であるかの意義を知ってもらう為の公開文書という意味合いが強いです。
ホワイトペーパーを読む事によってICOと呼ばれる仮想通貨のプレセールに参加するかの判断材料として利用されます。
ま行
マイニング
マイニング(Mining)とは、ビットコイン(BTC)を手に入れる方法の一つで、ビットコインの取引情報をまとめたもの(ブロック)を1つ生み出すと報酬としてビットコインが支払われます。ビットコイン初期の頃は個人でも自作パソコンを使ってマイニングをするマイナーがいましたが、現在では企業が保有する強力なマイニングシステムの一部を使用してクラウドマイニングを行うのが一般的です。
や行
ら行
リップル(XRP)
リップル(Ripple、XRP)は、リップルラボ社が運営している決済送金システムのことで、XRPはそのリップルシステム内で利用される通貨の名称です。
あのGoogleの投資専門子会社が出資したことでも話題になったアルトコインで、世界中の大手銀行がリップルシステムの採用を発表しています。
リップルの特徴は「国際送金に特化している」という点です。情報技術に大きな影響をもたらしたインターネットのように、リップルシステムのネットワークを通じてスムーズな資金移動が可能な世界を実現することをミッションとしてます。
現在は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)に次ぐ、時価総額第3位の仮想通貨になりました。
利確
利確とは利益確定の略称で、投資全般で使われる用語です。利益がプラスになる事を確定させる事をいい、仮想通貨であれば安い時に買った通貨を高くなった時に売れば利確させたことになります。
ロング
ロングとは、投資商品で使われている言葉で「先に買って後で売る事」を表します。仮想通貨の取引であれば、価格が上昇するまでひたすら待ち続ければ良いように思えますが、価値が大暴落してしまうと、売買の差額損失が大きくなってしまうリスクがあります。
対義語:ショート