2018年5月21日、タイ証券取引委員会(SEC)は仮想通貨規制に関する考えを自由に発言する場としてフォーカスグループ(情報を収集するために集められた人たちの討論会)を開催し、その様子をFacebookライブでストリーミング中継しました。
タイニュースメディアのSIAM BLOCKCHAIN(สยามบล็อกเชน、サイアムブロックチェーン)によると、このフォーカスグループはタイ国内におけるICO(イニシャル・コイン・オファリング)を通じたビジネスや資金調達に焦点を当てたものとのこと。
今回のフォーカスグループにより、ICOで資金調達できるのがタイバーツ(THB)とタイ証券取引委員会が認可した安全な仮想通貨(流動性を持ち、マネーロンダリングに関わりがない)のみであることが明らかになりました。
また今後は、ICOを実施するプロジェクトはそのためのアプリケーションを60日以内に完成させなければならず、同時に本人確認(KYC、Know Your Customer)とアンチマネーロンダリング(antimoneylaundering)規則にも準拠する必要があります。
そして、タイ証券取引委員会はICOのステーブルコイン化(安定通貨、価値が一定の仮想通貨)には関与するつもりがなく、タイ国立銀行がそれに対しての規制を担うとしています。
タイ証券取引委員会は仮想通貨規制の枠組みに追加法が導入される予定であることを認めており、今月30日には仮想通貨に関する公聴会を開催すると報じています。
前回までのタイの仮想通貨規制の枠組みのポイント
2018年5月13日、タイ証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨を「デジタルアセット及びデジタルトークン」と定義する仮想通貨規制の枠組みを発表していた。
タイを拠点とする全ての仮想通貨取引所と仮想通貨の独立ブローカー、独立ディーラーは、関係機関への登録が必要である。
仮想通貨を販売する者は登録を怠った場合、取引で得た金額の最大2倍または最低500万バーツの罰金が科せられ、従わない場合は最高2年の懲役刑を科される可能性がある。
アピサック・タンティボラウォン(Apisak Tantivorawong)財務相は、ICOについては公的に登録されたものならば、それを支持するものであると述べている。
タイで仮想通貨規制の国王令が施行され、今後は本格的に投資や決済に使用される模様
ただ、財務大臣もICOについては公的に登録されたものであれば支持すると考えを述べていますし、今回のフォーカスグループで今後のICOにおける厳しい本人確認と資金洗浄の禁止、資金はタイバーツとメジャー仮想通貨のみを取り扱うと宣言していますので、今後もICOの全面禁止は考えにくいと思います。
ここまでの流れを見ると、世界中の仮想通貨やICOにおけるトラブルや失敗を確認して、極力安全に、極力タイだけに利益が出るような方針がしっかりと取られています。
今後、仮想通貨やICOをきっかけにタイの経済や利便性が向上するようなことがあれば、タイの仮想通貨市場は世界的にも注目されることになるかもしれませんね。